📄第7章生物群集と生態系 第1節個体群

 1  個体群

A 個体群

・〔1 個体群 〕…ある一定地域で生活する,同じ生物種の個体の集まり。

B 個体群に見られる分布

・個体の分布の様式は,集中的に分布しているもの,一様に分布しているもの,ランダムに分布しているものなどさまざまである。

 2  個体群の成長と密度効果

A 個体群密度

・〔2 個体群密度  〕…個体群において,単位生活空間当たりの個体数。

・個体群密度=

B 個体数の調査方法

・〔3 区画 〕法…生息地域に一定の広さの区画をつくり,その中の個体数をかぞえて,得られた結果から地域全体の個体数を推定する方法。植物や動きの遅い動物などに適している。

・〔4 標識再捕 〕法…捕獲したすべての個体に標識をつけてから放し,標識された個体が十分に分散した後,再び同様の条件のもとで捕獲し,捕獲した個体に含まれる標識個体数から全体の個体数を求める方法。よく動き,行動範囲の広い動物などの個体群に用いられる。

全体の個体数=最初に捕獲して標識した個体数×

C 個体群の成長と密度効果

・〔5 個体群の成長  〕…個体群の個体数が増え,個体群密度が高くなること。

・個体群の〔6 成長曲線 〕…個体群の成長を表したグラフ。

・個体群密度が高くなると,生活環境が悪化し,個体群の成長が妨げられる。

⇒成長曲線は横に引き伸ばされた〔7 S字状 〕になる。

・個体群密度が高くなる。

→資源をめぐる個体間の〔8 競争 〕(種内競争)がはげしくなる。

→個体の発育・生理などが変化する(=〔9 密度効果 〕)。

・〔10 環境収容力  〕…ある環境で存在できる最大個体数。

D 動物の密度効果

・〔11 相変異 〕…個体群密度の違いによって生じる形質のまとまった変化。

・トノサマバッタの相変異

〔12 孤独相 〕:幼虫のときに個体群密度が低い状態で育った個体で,長い後あしをもち単独生活をする。

〔13 群生相 〕:個体群密度が高い状態が数世代続いた個体で,はねが長く後あしが短く,移動力が大きく集合性が強い。

E 植物の密度効果

・個体群密度が高まると,個体の短小化や個体当たりの種子数の減少などが見られる。

・単位面積当たりの個体群の質量は,時間が経過すると,種子をまいたときの密度に関係なくほぼ一定になる(=〔14 最終収量一定の法則    〕)。

 3  個体群の齢構成と生存曲線

A 個体群の齢構成

・〔15 齢構成 〕…個体群がどのような齢階級の個体によって構成されているかについて,世代や齢ごとにその個体数分布を示したもの。年齢ピラミッドとよばれる図で示される。

〔16 幼若型 〕:出生率が高く,生殖期以前の死亡率が高い。

〔17 安定型 〕:現在と近い将来で生殖期の個体数に大差がない。

〔18 老化型 〕:この後,個体数の減少が予想される。

B 生命表と生存曲線

・〔19 生命表 〕…卵や子,種子が成長するにつれてどれだけ生き残るかを示した表。

・〔20 生存曲線 〕…生命表をグラフに表したもの。

〔21 晩死型 〕:死亡が老齢時に集中する((a))。

〔22 平均型 〕:各時期の死亡率がほぼ一定である((b))。

〔23 早死型 〕:幼齢時の死亡率が非常に高い((c))。

・一般に,親の保護が発達している動物は晩死型になり,保護がない動物では早死型になる。

高校生物2022

2023年3月31日を持ちまして、更新を終了致します。 2023年4月1日から新しくホームページを開設します。 よろしくお願いいたします。

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