📝第2章代謝第2節呼吸と発酵③
4 発 酵
微生物が酸素を用いずに有機物を分解してATPを合成するはたらきを〔1 発酵 〕という。発酵では電子伝達系がはたらかず,解糖系のみが継続的にはたらく。
A 乳酸発酵
有機物の分解産物として乳酸ができる発酵を〔2 乳酸発酵 〕という。乳酸菌が行う。
・ピルビン酸は,解糖系で生じた〔3 NADH 〕によって還元されて〔4 乳酸 〕(C3H6O3)となる。
・NADHはピルビン酸によって酸化されて〔5 NAD+ 〕にもどる。
⇒解糖系が継続する。
・〔6 解糖 〕…はげしい運動をする筋肉が,乳酸発酵と同じ過程でグルコースやグリコーゲンを分解してATPを合成するしくみ。
B アルコール発酵
有機物の分解産物としてエタノールができる発酵を〔7 アルコール発酵 〕という。酵母が行う。
・解糖系で生じたピルビン酸は,脱炭酸酵素のはたらきにより
〔8 アセトアルデヒド 〕になる。
・アセトアルデヒドはNADHによって還元されて〔9 エタノール 〕となり,NADHは〔10 NAD+ 〕にもどる。
⇒解糖系が継続する。
・アルコール発酵によって生じたエタノールと〔11 二酸化炭素 〕は細胞外に排出される。
5 脂肪とタンパク質の分解
呼吸基質には,炭水化物のほかに脂肪やタンパク質も用いられる。
●炭水化物の分解過程
・加水分解されてグルコースなどになる。
→解糖系,クエン酸回路,電子伝達系を経て,〔12 二酸化炭素 〕と水に分解される。
●脂肪の分解過程
・加水分解されてグリセリンと脂肪酸になる。
→グリセリンは〔13 解糖系 〕に入って分解される。
→脂肪酸はミトコンドリアのマトリックスで〔14 β酸化 〕を経てアセチルCoAとなる。
→アセチルCoAはクエン酸回路に入って分解される。
●タンパク質の分解過程
・加水分解されてアミノ酸になる。
→アミノ酸のアミノ基がアンモニア(NH3)として遊離する
(=〔15 脱アミノ反応 〕)。
→ピルビン酸やそのほかの有機酸となり,クエン酸回路などに入って分解される。
0コメント